Far away ~いつまでも、君を・・・~
④
2月に入ると、すぐに静と松下の初担当の挙式が行われた。
「ブランクもあるし、なんと言っても、ベイサイドシティでは初めての担当式だから・・・やっぱり緊張するよ。」
そう言っていた松下は、しかしやはりベテランらしい落ち着いた采配で、つつがなく式を進行させて行った。
一方の静の方には、教育担当として、彩がフォローに付いたが
「シュミレーションはバッチリですから、彩さんは黙って見ていてくれれば大丈夫です。」
と相変わらずの調子。どうせ煩がられるだけで、私の言うことになんか聞く耳持たないんだからと、内心諦めの気持ちで見ていた彩だったが、実際危なっかしい場面は何度かあったが、結果的には無難なプランナーデビューとなり
「初めてにしては、上出来だと思います。」
と、課長やチーフプランナーに報告した。これで、静の教育担当の任から完全に解放されることになった彩は
(正直ホッとした。これからは、また自分のペースで自分のやり方で仕事をして行こう。)
そんなことを改めて思っていた。
3月、4月・・・季節がどんどん華やいできて、それと比例するように、ブライダル課は活気に満ちあふれて来る。担当挙式、打ち合わせ、新規問い合わせ者の応対そしてブライダルフェアと、彩も同僚たちも、慌ただしい日々を送っていた。
『すまん、今週もちょっと無理そうだ。』
そんなある日、仕事を終え、帰宅した彩に斗真から連絡が入る。
「そっか・・・でもしょうがないよね。」
このところ、斗真も忙しいようで、なかなか2人は会えずにいた。
『自分のペースで仕事ができると思ったから、独立したんだが、実際はそううまくはいかないものだな。会社の看板を背負っていると、どうしてもそちらのしがらみで、顧客に真摯に向き合えないことも不満だったんだけど、反面会社の看板が後ろ盾になってくれていたこともたくさんあったんだ。そんなことは先刻承知のつもりだったが・・・。』
「ねぇ、大丈夫?なんか斗真さん、声に元気がない。疲れてるんじゃない?」
このところ独立した当初の勢いがなく、精彩を欠いた様子の恋人が彩は心配だった。
『ありがとう。でも大丈夫、彩に心配かけないようにしないと。』
「そんなのはいいんだよ。最初からなんでも上手く行くとは限らないんだから、とにかく無理しちゃ駄目だよ。」
声を励ます彩に
『わかった。彩の声聞いたから、明日からまた頑張るよ。』
斗真はそう答えて笑った。
「ブランクもあるし、なんと言っても、ベイサイドシティでは初めての担当式だから・・・やっぱり緊張するよ。」
そう言っていた松下は、しかしやはりベテランらしい落ち着いた采配で、つつがなく式を進行させて行った。
一方の静の方には、教育担当として、彩がフォローに付いたが
「シュミレーションはバッチリですから、彩さんは黙って見ていてくれれば大丈夫です。」
と相変わらずの調子。どうせ煩がられるだけで、私の言うことになんか聞く耳持たないんだからと、内心諦めの気持ちで見ていた彩だったが、実際危なっかしい場面は何度かあったが、結果的には無難なプランナーデビューとなり
「初めてにしては、上出来だと思います。」
と、課長やチーフプランナーに報告した。これで、静の教育担当の任から完全に解放されることになった彩は
(正直ホッとした。これからは、また自分のペースで自分のやり方で仕事をして行こう。)
そんなことを改めて思っていた。
3月、4月・・・季節がどんどん華やいできて、それと比例するように、ブライダル課は活気に満ちあふれて来る。担当挙式、打ち合わせ、新規問い合わせ者の応対そしてブライダルフェアと、彩も同僚たちも、慌ただしい日々を送っていた。
『すまん、今週もちょっと無理そうだ。』
そんなある日、仕事を終え、帰宅した彩に斗真から連絡が入る。
「そっか・・・でもしょうがないよね。」
このところ、斗真も忙しいようで、なかなか2人は会えずにいた。
『自分のペースで仕事ができると思ったから、独立したんだが、実際はそううまくはいかないものだな。会社の看板を背負っていると、どうしてもそちらのしがらみで、顧客に真摯に向き合えないことも不満だったんだけど、反面会社の看板が後ろ盾になってくれていたこともたくさんあったんだ。そんなことは先刻承知のつもりだったが・・・。』
「ねぇ、大丈夫?なんか斗真さん、声に元気がない。疲れてるんじゃない?」
このところ独立した当初の勢いがなく、精彩を欠いた様子の恋人が彩は心配だった。
『ありがとう。でも大丈夫、彩に心配かけないようにしないと。』
「そんなのはいいんだよ。最初からなんでも上手く行くとは限らないんだから、とにかく無理しちゃ駄目だよ。」
声を励ます彩に
『わかった。彩の声聞いたから、明日からまた頑張るよ。』
斗真はそう答えて笑った。