Far away ~いつまでも、君を・・・~
「でもさ。」
並んで歩き出すと、彩が口を開いた。
「弓道、少しはやる気になってくれたみたいじゃない。」
「今は、俺と先輩を繋いでくれるものは、弓道しかないから。」
「・・・。」
「俺は先輩が好きだから。絶対に先輩を振り向かせたいから。だから、今は弓道を一所懸命にやるしかない。」
そう言って尚輝は、彩の顔を見る。
「そう・・・でもまぁ、私としては、あんたがどんな動機でも、弓道に真面目に取り組んでくれるのは歓迎だな。」
「えっ?」
「マチヒロはあんたのこと、買ってるみたいだし、斗真先輩もあんたのこと、見込みがあるって言ってたし。」
そう言った彩は、まっすぐ前を向いたまま。尚輝の顔は見ない。
「本郷先輩が、ですか・・・。」
意外そうな声を出す尚輝。
「斗真先輩の目は確かだからね。だから、あんた、しっかりやりなよ。」
そう言うと、彩は尚輝に笑い掛ける。
「複雑だな。」
「えっ?」
「恋敵に認められるっていうのも。」
「恋敵?」
「先輩、好きなんでしょ?本郷先輩のこと。」
思わず、言葉を失ってしまう彩。
(ずっと心に秘めて来たのに、誰にも気付かれたことはなかったのに・・・。)
「初めて2人で話してる姿を見た時、すぐにわかりましたよ。ああいうイケメンが、先輩のタイプなのかって、ちょっと凹みましたけどね。」
と言った尚輝は
「なんで告らなかったんですか?」
と聞いて来る。その真っすぐな疑問に、一瞬たじろいだ彩だったが
「仕方ないじゃん。私が入部した時には、先輩は由理佳さんともう付き合ってたんだから。由理佳さん相手に勝ち目なんか、とてもないし。」
と素直に答えてしまう。
「そうかなぁ、宮田先輩と彩先輩だったら、断然彩先輩だと思うけどなぁ。」
「えっ?」
「それに俺は、例え先輩に彼氏がいたとしても、絶対に告りました。」
そう言い切った尚輝の顔を、彩は思わず見てしまう。
並んで歩き出すと、彩が口を開いた。
「弓道、少しはやる気になってくれたみたいじゃない。」
「今は、俺と先輩を繋いでくれるものは、弓道しかないから。」
「・・・。」
「俺は先輩が好きだから。絶対に先輩を振り向かせたいから。だから、今は弓道を一所懸命にやるしかない。」
そう言って尚輝は、彩の顔を見る。
「そう・・・でもまぁ、私としては、あんたがどんな動機でも、弓道に真面目に取り組んでくれるのは歓迎だな。」
「えっ?」
「マチヒロはあんたのこと、買ってるみたいだし、斗真先輩もあんたのこと、見込みがあるって言ってたし。」
そう言った彩は、まっすぐ前を向いたまま。尚輝の顔は見ない。
「本郷先輩が、ですか・・・。」
意外そうな声を出す尚輝。
「斗真先輩の目は確かだからね。だから、あんた、しっかりやりなよ。」
そう言うと、彩は尚輝に笑い掛ける。
「複雑だな。」
「えっ?」
「恋敵に認められるっていうのも。」
「恋敵?」
「先輩、好きなんでしょ?本郷先輩のこと。」
思わず、言葉を失ってしまう彩。
(ずっと心に秘めて来たのに、誰にも気付かれたことはなかったのに・・・。)
「初めて2人で話してる姿を見た時、すぐにわかりましたよ。ああいうイケメンが、先輩のタイプなのかって、ちょっと凹みましたけどね。」
と言った尚輝は
「なんで告らなかったんですか?」
と聞いて来る。その真っすぐな疑問に、一瞬たじろいだ彩だったが
「仕方ないじゃん。私が入部した時には、先輩は由理佳さんともう付き合ってたんだから。由理佳さん相手に勝ち目なんか、とてもないし。」
と素直に答えてしまう。
「そうかなぁ、宮田先輩と彩先輩だったら、断然彩先輩だと思うけどなぁ。」
「えっ?」
「それに俺は、例え先輩に彼氏がいたとしても、絶対に告りました。」
そう言い切った尚輝の顔を、彩は思わず見てしまう。