Far away ~いつまでも、君を・・・~
「あなたがホテルベイサイドシティで、ウェディングプランナーをなさってたことは、二階先生からお聞きしていた。去年、あなたに会の役員をお願いすることになった時、先生からなんとかあなたをクラウンプラザに推薦してもらえないかって、相談されたのよ。『先輩は優秀なホテリエだったから、絶対にクラウンプラザさんに損はさせないはずです。』ってね。」
(尚輝・・・。)
「実際、あなたにお会いして、先生の言葉に間違いはなさそうだとは思ったけど、もう少し様子を見させてもらおうかと思って。こんなことを言っては失礼だけど、あなたの帰郷に関しては、変な噂もあったから。」
そう言って、一瞬申し訳なさそうな表情になった会長だが、すぐに表情を改め
「それで、ずっとあなたの様子を見てたんだけど。生徒に対する熱心で、丁寧な指導態度、弓道に対する真摯な姿勢。どれをとっても、言う事なしだった。」
「そんなこと・・・。」
あまりの褒められように、思わず彩は照れたように俯く。
「だから、私も自信を持って、夫を通じて、ホテルにあなたを推薦したの。夫もベイサイドシティさんに伝手があったみたいで、先方にあなたのことを問い合わせたら、『人柄も仕事ぶりも自信を持って、ご推薦できます』って回答が来て。じゃ、是非、一度面接に来させていただきたいって連絡があったのが、本当にさっきのことなのよ。」
「・・・。」
「すぐにあなたに連絡をしなきゃと思っていたら、あなたの方からこれから伺いたいって連絡が来て、これもなにかの縁だろうと思って、お待ちしてたの。」
それは全く、予想だにしなかった展開。彩は半ば茫然と、会長の言葉を聞いている。
「別に派遣で働くことが悪いわけではないけど、せっかくなら正規雇用の方がいいと思うんだけど、どう?もっとも廣瀬さんが、もうホテル業界はコリゴリとか思ってるなら・・・。」
「そんなことありません!」
我に返った彩は、次の瞬間、そう大きな声で言った。
「ホテリエは子供の頃からの憧れの職業でした。それを自分の我が儘で放り出してしまって・・・まさかもう1度、ホテルで働くチャンスをいただけるなんて、夢にも思っていませんでした。だからビックリしてしまって・・・。是非、よろしくお願いします。」
そう言って、勢いよく頭を下げた彩に
「なら、善は急げね。さっそく明日にでも、面接を受けに行ってくれる?」
会長はそう言って微笑んだ。
(尚輝・・・。)
「実際、あなたにお会いして、先生の言葉に間違いはなさそうだとは思ったけど、もう少し様子を見させてもらおうかと思って。こんなことを言っては失礼だけど、あなたの帰郷に関しては、変な噂もあったから。」
そう言って、一瞬申し訳なさそうな表情になった会長だが、すぐに表情を改め
「それで、ずっとあなたの様子を見てたんだけど。生徒に対する熱心で、丁寧な指導態度、弓道に対する真摯な姿勢。どれをとっても、言う事なしだった。」
「そんなこと・・・。」
あまりの褒められように、思わず彩は照れたように俯く。
「だから、私も自信を持って、夫を通じて、ホテルにあなたを推薦したの。夫もベイサイドシティさんに伝手があったみたいで、先方にあなたのことを問い合わせたら、『人柄も仕事ぶりも自信を持って、ご推薦できます』って回答が来て。じゃ、是非、一度面接に来させていただきたいって連絡があったのが、本当にさっきのことなのよ。」
「・・・。」
「すぐにあなたに連絡をしなきゃと思っていたら、あなたの方からこれから伺いたいって連絡が来て、これもなにかの縁だろうと思って、お待ちしてたの。」
それは全く、予想だにしなかった展開。彩は半ば茫然と、会長の言葉を聞いている。
「別に派遣で働くことが悪いわけではないけど、せっかくなら正規雇用の方がいいと思うんだけど、どう?もっとも廣瀬さんが、もうホテル業界はコリゴリとか思ってるなら・・・。」
「そんなことありません!」
我に返った彩は、次の瞬間、そう大きな声で言った。
「ホテリエは子供の頃からの憧れの職業でした。それを自分の我が儘で放り出してしまって・・・まさかもう1度、ホテルで働くチャンスをいただけるなんて、夢にも思っていませんでした。だからビックリしてしまって・・・。是非、よろしくお願いします。」
そう言って、勢いよく頭を下げた彩に
「なら、善は急げね。さっそく明日にでも、面接を受けに行ってくれる?」
会長はそう言って微笑んだ。