Far away ~いつまでも、君を・・・~
「尚輝。」
「はい。」
「本当なの?」
「えっ?」
「この手紙に書かれていることは、本当なの?」
「そ、それは・・・。」
彩の真っすぐな視線にたじろいだように、尚輝は言葉を詰まらせる。
「無理。」
「えっ?」
「尚輝からの告白に、私は何度もそう答えたはず。だから私たちのことは10年以上前に終わってるってこと。ううん、それ以前に始まってもいない。そうだよね?」
「はい・・・。」
「京香ちゃんは何を勘違いしたんだろう。いや、例え勘違いじゃなかったとしても、私は無理だから。まさか、インハイ予選の時の約束を気にしてたのかもしれないけど、あれはただ最後に尚輝を励ます為にうんって言っただけ。あの時点であんたが、斗真さんを超えられるわけなかったからね。」
その言葉に、尚輝はハッと彩を見るが、すぐに視線を落とした。
「とにかくさ、あんたは何としても京香ちゃんの誤解を解いて、許してもらいな。『不安にさせて悪かったけど、俺の気持ちは君だけにある。だからいつまでも、君を帰りを待ってるから』、そう伝えれば京香ちゃんもきっとわかってくれるし、喜んでくれるよ。もちろん、必要なら私も頭を下げるし、話もさせてもらうから。」
「はい。」
頷いた尚輝に
「万一、京香ちゃんに許してもらえなくても、私は本当に無理だからね。だから頑張んな。それと、練習への参加は、今日限りで見合わせとく。みんなには仕事が忙しくなったからしばらく行けないって伝えておいてね。」
「先輩・・・。」
「尚輝、本当にごめんね。私の為にこんなことになっちゃって・・・でも、尚輝はさ、かつて何度私に振られても、めげずに告って来たじゃない。だから、その時のことを思い出して・・・絶対に諦めちゃ駄目だからね。」
その言葉に尚輝が1つ頷いたのを見て、彩は立ち上がった。
だがそれから・・・尚輝の懸命のアプロ-チにも、京香からの反応は何もなかった。そして、この日、尚輝は仕事帰り、京香の自宅を訪ねることにした。こうなった以上、彼女の両親に頭を下げ、彼女の留学先を教えてもらい、GWにでも乗り込んで、直接話をしようと決心したのだ。
渋る両親に何とか頼み込み、面談の約束を取り付けた尚輝が、緊張の面持ちで玄関前に立つと
「尚輝。」
と呼びかけられた。振り向いたその視線の先には
「秀。」
西川秀の姿があった。
「はい。」
「本当なの?」
「えっ?」
「この手紙に書かれていることは、本当なの?」
「そ、それは・・・。」
彩の真っすぐな視線にたじろいだように、尚輝は言葉を詰まらせる。
「無理。」
「えっ?」
「尚輝からの告白に、私は何度もそう答えたはず。だから私たちのことは10年以上前に終わってるってこと。ううん、それ以前に始まってもいない。そうだよね?」
「はい・・・。」
「京香ちゃんは何を勘違いしたんだろう。いや、例え勘違いじゃなかったとしても、私は無理だから。まさか、インハイ予選の時の約束を気にしてたのかもしれないけど、あれはただ最後に尚輝を励ます為にうんって言っただけ。あの時点であんたが、斗真さんを超えられるわけなかったからね。」
その言葉に、尚輝はハッと彩を見るが、すぐに視線を落とした。
「とにかくさ、あんたは何としても京香ちゃんの誤解を解いて、許してもらいな。『不安にさせて悪かったけど、俺の気持ちは君だけにある。だからいつまでも、君を帰りを待ってるから』、そう伝えれば京香ちゃんもきっとわかってくれるし、喜んでくれるよ。もちろん、必要なら私も頭を下げるし、話もさせてもらうから。」
「はい。」
頷いた尚輝に
「万一、京香ちゃんに許してもらえなくても、私は本当に無理だからね。だから頑張んな。それと、練習への参加は、今日限りで見合わせとく。みんなには仕事が忙しくなったからしばらく行けないって伝えておいてね。」
「先輩・・・。」
「尚輝、本当にごめんね。私の為にこんなことになっちゃって・・・でも、尚輝はさ、かつて何度私に振られても、めげずに告って来たじゃない。だから、その時のことを思い出して・・・絶対に諦めちゃ駄目だからね。」
その言葉に尚輝が1つ頷いたのを見て、彩は立ち上がった。
だがそれから・・・尚輝の懸命のアプロ-チにも、京香からの反応は何もなかった。そして、この日、尚輝は仕事帰り、京香の自宅を訪ねることにした。こうなった以上、彼女の両親に頭を下げ、彼女の留学先を教えてもらい、GWにでも乗り込んで、直接話をしようと決心したのだ。
渋る両親に何とか頼み込み、面談の約束を取り付けた尚輝が、緊張の面持ちで玄関前に立つと
「尚輝。」
と呼びかけられた。振り向いたその視線の先には
「秀。」
西川秀の姿があった。