Far away ~いつまでも、君を・・・~
「そろそろ時間ですね。」
時計に目をやった彩が、表情を改めた。
「今日は、お会い出来て、よかったです。」
「彩・・・。」
「斗真さん。申し訳ありませんけど、私、お帰りをお待ちしてます、なんて殊勝なことを言うつもりはありません。」
「・・・。」
「だけど、あなたが罪を償って、一刻も早く、社会に復帰される日が来ることをお祈りしています。そして、あなたらしく真っすぐに生きて行って欲しい、それを心から願っています。」
そう言って、彩は微笑んだ。
「ありがとう。出所したら、どこかみんなの知らない場所でひっそりと、でも真面目に生きていくつもりだ。」
「そんなのダメです!」
斗真の言葉にかぶりを振った彩は
「罪を償い終わった時には、堂々と故郷に帰って来て下さい。なんだかんだ言っても、故郷は暖かいですよ。そしたら、まずはみんなでまた弓道をやりましょう。斗真・・・先輩の同期の人たちにはもちろん、由理佳さんにも遥にもマチヒロにも、みんなに声を掛けて、児玉先生にも来ていただいて。尚輝に頼んで、道場を貸してもらいますから、また颯天高校で、私たちの母校で、弓を引きましょう!」
表情を輝かせて、斗真に訴える。そんな彩の顔を、じっと見つめていた斗真は
「わかった。みんなの前にちゃんと顔を出せるように、これから俺も頑張る。だから、その時が来るのを楽しみにしてるよ・・・廣瀬。」
そう言って、顔をほころばせた。
「はい。約束ですからね、先輩!」
ようやく2人は笑顔を交わした。
斗真に別れを告げ、刑務所の通用門に戻った彩を伊藤が待っていた。
「彼とちゃんと話が出来ました。ありがとうございました。」
明るい表情で報告した彩に
「そうですか・・・なら、よかった。」
伊藤もホッとしたように笑顔を浮かべた。
「じゃ、僕も本郷に会って来ます。廣瀬さん、今日は遠いところ、ありがとうございました。」
「伊藤さん。」
「はい。」
「あの人を・・・斗真先輩をよろしくお願いします。」
「わかりました。」
彩の言葉に笑顔で頷くと、伊藤は扉の中に消えて行った。
(さようなら、斗真さん。お帰りをお待ちしてます、先輩。)
その扉に向かって、ゆっくり一礼すると、クルリと背を向け、歩き出した彩は
(自分の気持ちに素直になることは、確かに決していいことばかりじゃないのかもしれない。でも・・・。)
先ほどの斗真の言葉に、心を馳せていた。
時計に目をやった彩が、表情を改めた。
「今日は、お会い出来て、よかったです。」
「彩・・・。」
「斗真さん。申し訳ありませんけど、私、お帰りをお待ちしてます、なんて殊勝なことを言うつもりはありません。」
「・・・。」
「だけど、あなたが罪を償って、一刻も早く、社会に復帰される日が来ることをお祈りしています。そして、あなたらしく真っすぐに生きて行って欲しい、それを心から願っています。」
そう言って、彩は微笑んだ。
「ありがとう。出所したら、どこかみんなの知らない場所でひっそりと、でも真面目に生きていくつもりだ。」
「そんなのダメです!」
斗真の言葉にかぶりを振った彩は
「罪を償い終わった時には、堂々と故郷に帰って来て下さい。なんだかんだ言っても、故郷は暖かいですよ。そしたら、まずはみんなでまた弓道をやりましょう。斗真・・・先輩の同期の人たちにはもちろん、由理佳さんにも遥にもマチヒロにも、みんなに声を掛けて、児玉先生にも来ていただいて。尚輝に頼んで、道場を貸してもらいますから、また颯天高校で、私たちの母校で、弓を引きましょう!」
表情を輝かせて、斗真に訴える。そんな彩の顔を、じっと見つめていた斗真は
「わかった。みんなの前にちゃんと顔を出せるように、これから俺も頑張る。だから、その時が来るのを楽しみにしてるよ・・・廣瀬。」
そう言って、顔をほころばせた。
「はい。約束ですからね、先輩!」
ようやく2人は笑顔を交わした。
斗真に別れを告げ、刑務所の通用門に戻った彩を伊藤が待っていた。
「彼とちゃんと話が出来ました。ありがとうございました。」
明るい表情で報告した彩に
「そうですか・・・なら、よかった。」
伊藤もホッとしたように笑顔を浮かべた。
「じゃ、僕も本郷に会って来ます。廣瀬さん、今日は遠いところ、ありがとうございました。」
「伊藤さん。」
「はい。」
「あの人を・・・斗真先輩をよろしくお願いします。」
「わかりました。」
彩の言葉に笑顔で頷くと、伊藤は扉の中に消えて行った。
(さようなら、斗真さん。お帰りをお待ちしてます、先輩。)
その扉に向かって、ゆっくり一礼すると、クルリと背を向け、歩き出した彩は
(自分の気持ちに素直になることは、確かに決していいことばかりじゃないのかもしれない。でも・・・。)
先ほどの斗真の言葉に、心を馳せていた。