Far away ~いつまでも、君を・・・~
それから2週間後。これさえなければと、多くの生徒が思っている中間考査が終わり
「やれやれ、やっと終わった。」
やっと片付いた、そう言わんばかりに伸びをしながら、そう言った尚輝に
「全くだ。さぁ、今日は思いっきり羽を伸ばそうぜ。昼飯食ってその後、カラオケでストレス発散なんてどうだ?」
と秀は誘いを掛けて来る。だが尚輝は
「すまんが、もうすぐ新人戦だからな。練習しねぇと。」
と言うや、立ち上がる。
「えっ?マジかよ。お前、今日ぐらい、いいじゃねぇかよ。付き合いわりぃぞ。」
慌てて秀が引き留めようとするが
「ごめんな。1週間、弓持ってなくて、結構ストレス溜まってんだ。」
そう答えて、尚輝は笑う。
「何、お前廣瀬さんみたいなこと言ってるんだよ。何もそこまで真似しなくたって・・・。」
「仕方ねぇだろ。彩先輩が好きなものだから、なんとか俺も好きになろうとしてたら、結構本気で好きになっちまったんだから、弓道のこと。じゃぁな。」
そう言い残して、教室を後にする尚輝の後ろ姿を、唖然としながら見送る秀。
(「病膏肓に入る」とは、このことだな。よくもあんなに冷たくあしらわれ続けてるのに、あそこまで廣瀬さんのこと、想ってられるられるもんだ・・・。)
感心半分、呆れ半分でそんなことを考えていると
「秀。」
と声が掛ける。
「ゲッ、京香・・・。」
振り返った秀は、そこにクラスメイトで幼なじみでもある菅野京香の姿を見て、思わず首をすくめる。
「ゲッてなによ、ゲッて。」
「い、いや、別に・・・。」
京香に睨まれて、たじろぐ秀。
「なんか、カラオケ行くとかなんとか、さっき聞こえたけど、あんたも、今日はこれから部活じゃないの?」
「そ、そうだっけ・・・?」
「誤魔化さないで。試験が終わったら、文化祭の出品作品、仕上げなきゃって、言ってたじゃない。」
パソコン部に所属する秀は、やはり10月頭に迫った文化祭で展示するオリジナルキャラクタ-の制作を担当しているのだが、なかなか進まずにいるのだ。
「秀がサボったら、他の人に迷惑が掛かるんだからね。あんたも二階くんを見習って、真面目に部活に行きなさい!」
小さい頃から、こうやって京香に叱られてばかりいて、全く頭の上がらない秀は
「わかった、行けばいいんだろう。」
と言うと、逃げるように、教室を出て行った。
「やれやれ、やっと終わった。」
やっと片付いた、そう言わんばかりに伸びをしながら、そう言った尚輝に
「全くだ。さぁ、今日は思いっきり羽を伸ばそうぜ。昼飯食ってその後、カラオケでストレス発散なんてどうだ?」
と秀は誘いを掛けて来る。だが尚輝は
「すまんが、もうすぐ新人戦だからな。練習しねぇと。」
と言うや、立ち上がる。
「えっ?マジかよ。お前、今日ぐらい、いいじゃねぇかよ。付き合いわりぃぞ。」
慌てて秀が引き留めようとするが
「ごめんな。1週間、弓持ってなくて、結構ストレス溜まってんだ。」
そう答えて、尚輝は笑う。
「何、お前廣瀬さんみたいなこと言ってるんだよ。何もそこまで真似しなくたって・・・。」
「仕方ねぇだろ。彩先輩が好きなものだから、なんとか俺も好きになろうとしてたら、結構本気で好きになっちまったんだから、弓道のこと。じゃぁな。」
そう言い残して、教室を後にする尚輝の後ろ姿を、唖然としながら見送る秀。
(「病膏肓に入る」とは、このことだな。よくもあんなに冷たくあしらわれ続けてるのに、あそこまで廣瀬さんのこと、想ってられるられるもんだ・・・。)
感心半分、呆れ半分でそんなことを考えていると
「秀。」
と声が掛ける。
「ゲッ、京香・・・。」
振り返った秀は、そこにクラスメイトで幼なじみでもある菅野京香の姿を見て、思わず首をすくめる。
「ゲッてなによ、ゲッて。」
「い、いや、別に・・・。」
京香に睨まれて、たじろぐ秀。
「なんか、カラオケ行くとかなんとか、さっき聞こえたけど、あんたも、今日はこれから部活じゃないの?」
「そ、そうだっけ・・・?」
「誤魔化さないで。試験が終わったら、文化祭の出品作品、仕上げなきゃって、言ってたじゃない。」
パソコン部に所属する秀は、やはり10月頭に迫った文化祭で展示するオリジナルキャラクタ-の制作を担当しているのだが、なかなか進まずにいるのだ。
「秀がサボったら、他の人に迷惑が掛かるんだからね。あんたも二階くんを見習って、真面目に部活に行きなさい!」
小さい頃から、こうやって京香に叱られてばかりいて、全く頭の上がらない秀は
「わかった、行けばいいんだろう。」
と言うと、逃げるように、教室を出て行った。