Far away ~いつまでも、君を・・・~
もっとも、この日の2人はデートの為に待ち合わせたわけではなかった。車を40分程走らせ、着いたのは、料理も楽しめる居酒屋風レストラン。中に入ると
「こっちだ。」
と手招きする1人の人物が。
「待ったか?」
「いや、今、来たところって、デートかい!」
笑いながらツッコんで来たのは、西川秀。2人にとっては、高校時代のクラスメイトであり、京香にとっては、今もご近所さんの幼なじみでもある。大学卒業後、地元にUターン就職した秀は、信用金庫に勤めている。
「ここに来て、酒が飲めないのは辛いな。」
「仕方がない。お互い飲酒運転なんてしたら、一発で人生終わるからな。」
「いいじゃん。ここはお料理もおいしいいんだから。」
「そうだな。よし、ジャンジャン頼むか。」
「そう言や、京香、初任給出たんだろ。だったら、なんか奢れよ。」
「なに言ってんの、あんたは何にもご馳走してくれなかったくせに。だいたい親を差し置いて、なんで秀に一番最初にご馳走しなきゃならないのよ。」
そんなことを賑やかに話しながら、料理を注文し終わると、3人はまた、話に花を咲かせ始める。
「ところで、まだバレてないのかよ。お前たちのこと。」
「当たり前だろ。1ヶ月やそこらでバレるようなら、最初から隠すような真似はしねぇよ。」
「それにしてもさ、京香もわざわざ教師になって、彼氏と職場を同じにすることはなかっただろうよ。」
「仕方ないでしょ。美大卒がこっちに帰って来たって、就職先が教員くらいしかなかったんだから。」
からかうような秀の言葉に、京香はムキになって、反論する。
「じゃ、本音は帰って来たくなかったのか?」
「就職のことを考えればね。あっちにいれば、もう少し選択肢は広がったと思うからさ。でも、院まで行かせてもらって、親には迷惑かけたから、帰って安心させてあげたかったし、それになんと言っても、尚輝がこっちにいるんだから。」
そう言って京香は、はにかんだように横の尚輝を見る。
「尚輝、お前も大したものだ。このじゃじゃ馬を、ここまでしおらしくさせるんだからな。」
「秀!」
京香に睨まれて、首をすくめる秀。相変わらずの2人の関係性に、尚輝は思わず、笑ってしまっていた。
「こっちだ。」
と手招きする1人の人物が。
「待ったか?」
「いや、今、来たところって、デートかい!」
笑いながらツッコんで来たのは、西川秀。2人にとっては、高校時代のクラスメイトであり、京香にとっては、今もご近所さんの幼なじみでもある。大学卒業後、地元にUターン就職した秀は、信用金庫に勤めている。
「ここに来て、酒が飲めないのは辛いな。」
「仕方がない。お互い飲酒運転なんてしたら、一発で人生終わるからな。」
「いいじゃん。ここはお料理もおいしいいんだから。」
「そうだな。よし、ジャンジャン頼むか。」
「そう言や、京香、初任給出たんだろ。だったら、なんか奢れよ。」
「なに言ってんの、あんたは何にもご馳走してくれなかったくせに。だいたい親を差し置いて、なんで秀に一番最初にご馳走しなきゃならないのよ。」
そんなことを賑やかに話しながら、料理を注文し終わると、3人はまた、話に花を咲かせ始める。
「ところで、まだバレてないのかよ。お前たちのこと。」
「当たり前だろ。1ヶ月やそこらでバレるようなら、最初から隠すような真似はしねぇよ。」
「それにしてもさ、京香もわざわざ教師になって、彼氏と職場を同じにすることはなかっただろうよ。」
「仕方ないでしょ。美大卒がこっちに帰って来たって、就職先が教員くらいしかなかったんだから。」
からかうような秀の言葉に、京香はムキになって、反論する。
「じゃ、本音は帰って来たくなかったのか?」
「就職のことを考えればね。あっちにいれば、もう少し選択肢は広がったと思うからさ。でも、院まで行かせてもらって、親には迷惑かけたから、帰って安心させてあげたかったし、それになんと言っても、尚輝がこっちにいるんだから。」
そう言って京香は、はにかんだように横の尚輝を見る。
「尚輝、お前も大したものだ。このじゃじゃ馬を、ここまでしおらしくさせるんだからな。」
「秀!」
京香に睨まれて、首をすくめる秀。相変わらずの2人の関係性に、尚輝は思わず、笑ってしまっていた。