Far away ~いつまでも、君を・・・~
③
近くのレストランカフェに入った2人は、結構ガッツリと注文すると、話に花を咲かせる。LINEや電話は、今でもわりと頻繁にしている方だと思っているが、直接会うのとは、やはり違う。
お互いの仕事の話や、よもやま話を経て、いつしか2人の話題は、母校の弓道部のことに。
「そっか。今年は久しぶりに新入部員が2桁乗ったんだ。」
「うん、よかったよ。」
「一時は随分減ってたしね。」
「存亡の危機かと思ってたからね。」
「二階くん、頑張ってくれてるんだ。」
「うん。アイツが戻って来てくれたおかげだよ。」
そう言うと彩は、満足そうに頷く。
「だとしたら、彩のお陰でもあるね。」
「えっ?」
「だって、彩がいなかったら、二階くん、間違いなく弓道やってなかったじゃん。」
「それは、『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいな話だよ。」
その彩の言葉で、2人は笑う。
「それにしても、彩は弓道部の動向に詳しいよね。」
「そりゃ、気になるから。これでも一応元主将ですから。」
「その割には、卒業してから、OB・OG会に1度も顔を出さないのは、『颯天高弓道部七不思議』の1つなんですけど。」
「そんな大げさな話じゃないよ。行きたくても行けなかっただけだから。」
「ホントに?」
「ホントだよ。遥だって、状況知ってるでしょ?」
疑わしそうな表情で聞かれて、彩は戸惑う。
「だったら、今年こそ、一緒に出席しようよ。」
「えっ・・・。」
「8月ってウェディングプランナ-にとっては、シーズンオフのはずじゃない?去年も一昨年も、たまたま担当のお客さんが入ったって言ってたけど、今年は今から調整すればなんとかなるでしょ?」
8月は1月と並んで、結婚式が少ない月。やはりお盆、正月と人々の動きが休止する時期だし、それに何と言っても暑さ、寒さが厳しい時期なのが、大きな理由だ。が、実はそういう時は新規のお客を呼び込む為のブライダルフェアが組まれることが多く、決して暇でもないのだ。ただ、普段はなかなかまとまった休みがとりにくいプランナ-たちが、この時期が休暇を取るチャンスであることは確かなことだ。
「みんな彩に久しぶりに会いたがってるし、自分達の代の主将がいないと、やっぱり盛り上がらないんだよ。」
「うん、わかったよ・・・。相談してみる。」
遥の勢いに押されたように、彩は答えていた。
お互いの仕事の話や、よもやま話を経て、いつしか2人の話題は、母校の弓道部のことに。
「そっか。今年は久しぶりに新入部員が2桁乗ったんだ。」
「うん、よかったよ。」
「一時は随分減ってたしね。」
「存亡の危機かと思ってたからね。」
「二階くん、頑張ってくれてるんだ。」
「うん。アイツが戻って来てくれたおかげだよ。」
そう言うと彩は、満足そうに頷く。
「だとしたら、彩のお陰でもあるね。」
「えっ?」
「だって、彩がいなかったら、二階くん、間違いなく弓道やってなかったじゃん。」
「それは、『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいな話だよ。」
その彩の言葉で、2人は笑う。
「それにしても、彩は弓道部の動向に詳しいよね。」
「そりゃ、気になるから。これでも一応元主将ですから。」
「その割には、卒業してから、OB・OG会に1度も顔を出さないのは、『颯天高弓道部七不思議』の1つなんですけど。」
「そんな大げさな話じゃないよ。行きたくても行けなかっただけだから。」
「ホントに?」
「ホントだよ。遥だって、状況知ってるでしょ?」
疑わしそうな表情で聞かれて、彩は戸惑う。
「だったら、今年こそ、一緒に出席しようよ。」
「えっ・・・。」
「8月ってウェディングプランナ-にとっては、シーズンオフのはずじゃない?去年も一昨年も、たまたま担当のお客さんが入ったって言ってたけど、今年は今から調整すればなんとかなるでしょ?」
8月は1月と並んで、結婚式が少ない月。やはりお盆、正月と人々の動きが休止する時期だし、それに何と言っても暑さ、寒さが厳しい時期なのが、大きな理由だ。が、実はそういう時は新規のお客を呼び込む為のブライダルフェアが組まれることが多く、決して暇でもないのだ。ただ、普段はなかなかまとまった休みがとりにくいプランナ-たちが、この時期が休暇を取るチャンスであることは確かなことだ。
「みんな彩に久しぶりに会いたがってるし、自分達の代の主将がいないと、やっぱり盛り上がらないんだよ。」
「うん、わかったよ・・・。相談してみる。」
遥の勢いに押されたように、彩は答えていた。