Far away ~いつまでも、君を・・・~
遥と町田が仲睦まじく、ホテルベイサイドシティを訪れたのは、その週末のことだった。
「町田様、香田様、本日は当ホテルにご来場いただき、誠にありがとうございます。」
と、うやうやしく出迎えた彩に
「なんだよ廣瀬。ちょっと止めてくれよ。」
驚いたように町田が言うが
「親しき仲にも礼儀あり。本日、おふたりは、当ホテルをご見学にいらしたお客様ですから。」
彩は営業スマイル全開で答える。
「それはそうだけど、それじゃ気詰まりしちゃうから、いつも通りにしてよ。」
遥も困惑を隠せないが
「そうは参りません。公私混同は厳に慎むよう、上司からも申し渡されておりますので。」
と彩の態度は変わらない。
「彩・・・。」
「では、ご案内させていただきます。」
そう言って、頭を下げると、彩は先導するように歩き出す。そんな彩に、遥と町田は思わず顔を見合わせると、やむなく、その後に追う。
正面にあるエレベーターに乗り込んだ3人。扉が閉まり、エレベーターが動き出した途端
「ごめん、もう無理。」
と言うや、彩が吹き出した。それには、一瞬キョトンとした2人だったが
「彩、ひょっとして、私達をからかってたの?」
遥は思わず、問いただす。
「違う、違う。本当に普通のお客様として、接しなさいって言われてるんだけどさ・・・。」
「・・・。」
「案内はもちろん、キチンとやらせてもらいます。だけど、もう少しくだけさせてもらってもいい?」
と済まなそうに言う彩。
「俺たちは最初から、普通でいいって言ってるじゃん。」
「ありがとう、助かる。でも私、ホテリエ失格だな。」
そう言って、彩が頭をかくような仕種をすると、エレベーターの中に笑いが起きた。
とは言え、いきなりタメ口になるわけではなく、それなりの礼はわきまえながら、彩は親友たちを案内して行く。
「町田様、香田様、本日は当ホテルにご来場いただき、誠にありがとうございます。」
と、うやうやしく出迎えた彩に
「なんだよ廣瀬。ちょっと止めてくれよ。」
驚いたように町田が言うが
「親しき仲にも礼儀あり。本日、おふたりは、当ホテルをご見学にいらしたお客様ですから。」
彩は営業スマイル全開で答える。
「それはそうだけど、それじゃ気詰まりしちゃうから、いつも通りにしてよ。」
遥も困惑を隠せないが
「そうは参りません。公私混同は厳に慎むよう、上司からも申し渡されておりますので。」
と彩の態度は変わらない。
「彩・・・。」
「では、ご案内させていただきます。」
そう言って、頭を下げると、彩は先導するように歩き出す。そんな彩に、遥と町田は思わず顔を見合わせると、やむなく、その後に追う。
正面にあるエレベーターに乗り込んだ3人。扉が閉まり、エレベーターが動き出した途端
「ごめん、もう無理。」
と言うや、彩が吹き出した。それには、一瞬キョトンとした2人だったが
「彩、ひょっとして、私達をからかってたの?」
遥は思わず、問いただす。
「違う、違う。本当に普通のお客様として、接しなさいって言われてるんだけどさ・・・。」
「・・・。」
「案内はもちろん、キチンとやらせてもらいます。だけど、もう少しくだけさせてもらってもいい?」
と済まなそうに言う彩。
「俺たちは最初から、普通でいいって言ってるじゃん。」
「ありがとう、助かる。でも私、ホテリエ失格だな。」
そう言って、彩が頭をかくような仕種をすると、エレベーターの中に笑いが起きた。
とは言え、いきなりタメ口になるわけではなく、それなりの礼はわきまえながら、彩は親友たちを案内して行く。