星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜
絆の中に絶望が広がっていく。今、絆は体の傷よりも心の傷の方が痛かった。オスカルが一生懸命考え、絆のために選んでくれた指輪が、奪われて売られてしまう。ただ苦しかった。

「お前が楽しく笑ってた分、いたぶってやるからな」

一が笑いながら言い、絆の体を持ち上げて壁に叩き付けた。



「遅いな……」

夜の二十一時を過ぎた頃、ホテルの一室ではオスカルがウロウロと部屋の中を行ったり来たりしていた。頭の中にあるのは大切な婚約者である絆のことである。

「連絡が来ない……」

もしかしたら、中学時代の友達との再会ではじゃぎ、連絡を忘れて楽しんでいるのかもしれない。しかしオスカルは何となく嫌な予感がしてホテルへ向かうことにした。

「絆はどんなに楽しくても、帰る時は連絡をするし、遅くなりそうになった時も連絡する。何だかおかしい」

オスカルはホテルの中へと入り、パーティーホールへと向かう。すると、パーティーホールが騒がしいことに気付いた。
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