星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜
「まだ見つからないの?」

「どこにもいない!お手洗いに行くって出て行ったのに!」

「警察呼んだ方がいいかな?」

そんな声が聞こえ、オスカルはドアを勢いよく開ける。突然現れた外国人に全員の注目が注がれた。

「突然すみません。王塚絆の婚約者のオスカル・ファクターです。絆はいますか?」

オスカルが訊ねると、凛が彼に駆け寄る。そしてどこか泣き出してしまいそうな顔をしながら、首を横に振った。

「いないんです!一時間くらい前に、トイレに行ったきり、戻って来てません!」

そう言われた瞬間、オスカルの目は捜査官のものへと変化する。オスカルは「わかりました」と言った後、すぐにパーティーホールを出た。そしてトイレまでの道を確認する。

「あれは!」

オスカルの目に防犯カメラが見えた。絆が映っているかもしれないと、オスカルは警備室へと走った。

(絆、絶対に助けるから間に合ってくれ!)

オスカルの頭に、ナイフで刺された過去の絆が浮かぶ。あんなにも傷付き、命の危険に晒された絆をもう見たくない。
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