星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜
「絆!気が付いた?」

目を覚ました絆に、オスカルが駆け寄る。その心配げな顔を見た刹那、絆の目の前がぼやけていく。絆は手を伸ばし、オスカルの手に触れた。

「オスカルさん……!!」

オスカルの手を強く握り、絆は泣きながら名前を呼ぶ。オスカルはもう片方の手で絆を撫で、「もう大丈夫だからね」と言う。

「あの二人は逮捕されたよ。絆、怖かったよね。ずっとそばにいるからね」

オスカルは絆に優しく声をかける。泣き続ける絆だったが、それは暴力を振るわれて怖かっただけではない。

「ごめんなさい」

絆がそう口にすると、オスカルはキョトンとした顔で首を傾げ、「どうして謝るの?」と訊ねる。絆は、重みのなくなった左手の薬指を見ながら言った。

「オスカルさんが一生懸命選んでくれた婚約指輪、お父さんに売られてしまったんです!大切な指輪なのに!ごめんなさい、ごめんなさい……」

絆は何度も謝る。すると、唇にふわりと柔らかいものが触れた。絆が目を開けると、そこにはオスカルの顔がある。キスをされているのだと、すぐにわかった。
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