【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
「まあね。でも、俺もおまえと同じで、まだ16歳だからな〜。客観的な実績をあげてるわけじゃないから、皇配候補としては結構弱いよね」

「……う〜〜ん、そうだねぇ」


 若さというのはアドバンテージであり、ディスアドバンテージでもある。
 未知の可能性に満ちているっていう見方もできるけど、文官として素晴らしい政策を立案してくれたとか、騎士や魔術師として手柄を立てたとか、そういう誰の目にもわかりやすい結果というものがあったほうがやっぱり強い。

 ライナスはまだ16歳。現状では、手柄らしい手柄を立てたわけじゃない。
 彼にあるのはやんごとなき血筋と、わたしの主観に基づく『優秀』という評価だけだ。

 とすれば、存在そのものが至高な上、既に手柄をたくさん立てているエレン様と比較すると、どうしたって劣ってしまう。

 でもさ、そもそも配属部署や上司のせいで、手柄を立てる機会に恵まれない優秀な人って大勢いるわけで……。


「――――ねえ、ないならいっそ作り上げちゃう?」

「なにを?」

「手柄。というか、手柄を立てる機会」


 漠然としたアイディアを言葉にする。途端に糸口が見えはじめた気がした。


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