【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
「心配しないで。久しぶりにカフェに来てゆっくりしたかっただけだよ。お茶をしたら魔術師団に帰るし、リリアンが気にするようなことはないから」
「え? だけど……」
「本当に。体調が悪いわけじゃないんだ」
「そう……ですか」
チクリと、ほんの少しだけ胸が痛む。
どうしてだろう? 体調が悪くないならホッとすべき場面だっていうのに。
自分の感情がちっともわからなかった。
「お席にご案内しますね」
モヤモヤを押し隠しつつ、わたしはエレン様を特等席へ案内する。エレン様は「ありがとう」って言いながら、とても穏やかに微笑んだ。
「ご注文は――いつもどおりでよろしいですか?」
ここに来たらいつも、エレン様はカプチーノをオーダーする。
前回――――わたしの誕生日の夜は、彼の好みに反して紅茶をいれることになったから、今回は腕によりをかけて準備しなければならない。わたしは密かに気合を入れた。
「え? だけど……」
「本当に。体調が悪いわけじゃないんだ」
「そう……ですか」
チクリと、ほんの少しだけ胸が痛む。
どうしてだろう? 体調が悪くないならホッとすべき場面だっていうのに。
自分の感情がちっともわからなかった。
「お席にご案内しますね」
モヤモヤを押し隠しつつ、わたしはエレン様を特等席へ案内する。エレン様は「ありがとう」って言いながら、とても穏やかに微笑んだ。
「ご注文は――いつもどおりでよろしいですか?」
ここに来たらいつも、エレン様はカプチーノをオーダーする。
前回――――わたしの誕生日の夜は、彼の好みに反して紅茶をいれることになったから、今回は腕によりをかけて準備しなければならない。わたしは密かに気合を入れた。