【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
「そうだね……それじゃあカプチーノを2つ」
「2つですか? 珍しいですね。あとからお連れ様がいらっしゃるご予定なんですか?」
思わぬことにわたしは目を丸くする。
初来店の日以降、エレン様はずっと一人でこの店に来ていらっしゃる。一人でゆっくりするほうが好きだとばかり思っていたのに。
「うん。実はリリアンに俺の話し相手になってほしいなぁと思って」
「えっ⁉ わたしですか?」
驚くわたしに、エレン様はコクリと大きくうなずく。彼は次いで「ダメかな?」と無垢な瞳で尋ねてきた。
「だっ、だけどわたし、仕事がありますし……」
「ダメかな?」
エレン様がさっきと同じ言葉を繰り返す。
ああ、ダメ。そんな瞳で見つめられたら心が揺らいでしまう。「いいよ」って答えてあげたくなってしまう。
だけど、それじゃ他のみんなに申し訳が立たないし、エレン様と上手にお話できるか自信ないし。ここはひとつ、エレン様を傷つけないよう丁重にお断りしなければ――――
「2つですか? 珍しいですね。あとからお連れ様がいらっしゃるご予定なんですか?」
思わぬことにわたしは目を丸くする。
初来店の日以降、エレン様はずっと一人でこの店に来ていらっしゃる。一人でゆっくりするほうが好きだとばかり思っていたのに。
「うん。実はリリアンに俺の話し相手になってほしいなぁと思って」
「えっ⁉ わたしですか?」
驚くわたしに、エレン様はコクリと大きくうなずく。彼は次いで「ダメかな?」と無垢な瞳で尋ねてきた。
「だっ、だけどわたし、仕事がありますし……」
「ダメかな?」
エレン様がさっきと同じ言葉を繰り返す。
ああ、ダメ。そんな瞳で見つめられたら心が揺らいでしまう。「いいよ」って答えてあげたくなってしまう。
だけど、それじゃ他のみんなに申し訳が立たないし、エレン様と上手にお話できるか自信ないし。ここはひとつ、エレン様を傷つけないよう丁重にお断りしなければ――――