【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
(今日は忙しい一日だったな……)
書類仕事や訓練とはまた違った疲労感――――けれどそれは、とても心地がよい。
ヴィヴィアン様のいろんな一面が見れたし、リリアンにも会えたし、これからお気に入りのカプチーノを飲むことができるし、文句なしに最高の誕生日だ。他にはもうなにもいらない――――そんなふうに思ったときだった。
唐突に店内が真っ暗になる。ビックリして振り返ったら、ろうそくのほのかな明かりが目に映った。
「リリアン……」
「エレン様、お誕生日おめでとうございます!」
リリアンがテーブルの上にケーキを置く。俺の歳の数――――19本のロウソクが並んだケーキだ。目頭が熱くなって、俺は思わず目を背けた。
「リリアン、これ……」
「実はエレン様のお誕生日を自分なりにお祝いしたくて、ケーキを作っていたんです。まさかエレン様が来てくださるとは思ってなかったから、デザインとかフルーツとか、もっとこだわればよかったってちょっぴり後悔しているんですけど」
バツの悪そうな表情を浮かべ、リリアンが微笑む。俺は大きく首を横に振った。
「そんなことない。嬉しい……すごく嬉しいよ」
少しでも気を抜いたら、涙が零れ落ちそうだった。
書類仕事や訓練とはまた違った疲労感――――けれどそれは、とても心地がよい。
ヴィヴィアン様のいろんな一面が見れたし、リリアンにも会えたし、これからお気に入りのカプチーノを飲むことができるし、文句なしに最高の誕生日だ。他にはもうなにもいらない――――そんなふうに思ったときだった。
唐突に店内が真っ暗になる。ビックリして振り返ったら、ろうそくのほのかな明かりが目に映った。
「リリアン……」
「エレン様、お誕生日おめでとうございます!」
リリアンがテーブルの上にケーキを置く。俺の歳の数――――19本のロウソクが並んだケーキだ。目頭が熱くなって、俺は思わず目を背けた。
「リリアン、これ……」
「実はエレン様のお誕生日を自分なりにお祝いしたくて、ケーキを作っていたんです。まさかエレン様が来てくださるとは思ってなかったから、デザインとかフルーツとか、もっとこだわればよかったってちょっぴり後悔しているんですけど」
バツの悪そうな表情を浮かべ、リリアンが微笑む。俺は大きく首を横に振った。
「そんなことない。嬉しい……すごく嬉しいよ」
少しでも気を抜いたら、涙が零れ落ちそうだった。