【電書＆コミカライズ】推しとは結婚できません！〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです！〜

「俺、負けたと思っていません。ですから今日は、もう一度チャンスがほしいと……改めて結婚を申し込むつもりでした。あなたと結婚するためなら、俺はプライドなんてかなぐり捨てます。どれだけ情けなくても、格好悪くても、俺にはヴィヴィアン様を諦めることなんてできません。ですから、あなたの護衛騎士に対しても、もう一度戦いを申し込もうと思っていて……」

「大丈夫！　ジーンはちゃんとわかってくれたの！　エレン様の勝ちだって！　これからはわたしと、エレン様に誠心誠意仕えたいんだって！　無理やり言わせたんじゃないよ？　本人がそう言ってたの。それから、お父様にもわたしの気持ち、ちゃんと伝えてある！　だから、あとはエレン様がうなずいてくれたらそれでいいの！　っていうかうなずいて！　わたしと結婚するって……」


　気づいたら身体が勝手に動いていた。

　ヴィヴィアン様は目を見開き、それからギュッと目をつぶる。赤く染まりゆく頬、キュッと俺にしがみつく腕、柔らかな唇――――そのすべてが愛おしい。互いの心臓がドキドキと鳴り響いていて、幸せで、たまらない。