【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
「いや、相手はライナスじゃないよ」
「違うの?」
わたしの問いかけに、お父様はすぐに頷いた。それから、背後に控えた従者に目配せをし、わたしのほうへと向き直る。
「受け取りなさい。お父様からおまえへの誕生日プレゼントだ」
「……? それならさっき受け取ったわ。わたしからしたら、エレン様をひと目拝めただけで天に召されるんじゃないかってぐらい幸せで……」
「陛下、皇女様」
とそのとき、わたしは自分の耳を疑った。
(どうしよう……耳がもげるかと思った)
爽やかで透明感のある極上の声音。神様がいるならきっとこんな声をしているんだろうなぁと思うほどに綺麗で、美しくて、それから神々しい。耳から喜びが広がって、全身の細胞が若返ったかのような心地がする。
ゆっくりと振り返ったら、わたしの推しが――――エレン様が目の前にいた。
(わたしって今、エレン様の視界に入っているのよね?)
間違いない、エレン様の瞳の中にわたしが写っているもの。こんなこと、許されるんだろうか?
っていうか、同じ空気を吸っていていいのだろうか? いや、息を止めるわけにはいかないんだけど、ありがたすぎて息をする間も惜しくなってしまう。
「違うの?」
わたしの問いかけに、お父様はすぐに頷いた。それから、背後に控えた従者に目配せをし、わたしのほうへと向き直る。
「受け取りなさい。お父様からおまえへの誕生日プレゼントだ」
「……? それならさっき受け取ったわ。わたしからしたら、エレン様をひと目拝めただけで天に召されるんじゃないかってぐらい幸せで……」
「陛下、皇女様」
とそのとき、わたしは自分の耳を疑った。
(どうしよう……耳がもげるかと思った)
爽やかで透明感のある極上の声音。神様がいるならきっとこんな声をしているんだろうなぁと思うほどに綺麗で、美しくて、それから神々しい。耳から喜びが広がって、全身の細胞が若返ったかのような心地がする。
ゆっくりと振り返ったら、わたしの推しが――――エレン様が目の前にいた。
(わたしって今、エレン様の視界に入っているのよね?)
間違いない、エレン様の瞳の中にわたしが写っているもの。こんなこと、許されるんだろうか?
っていうか、同じ空気を吸っていていいのだろうか? いや、息を止めるわけにはいかないんだけど、ありがたすぎて息をする間も惜しくなってしまう。