【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
あの公爵令嬢――――はダメね。わたしに対しては丁寧に接してくれるけど、気位の高さが見え隠れしているし、エレン様と結婚したら『自分が上』っていう態度をとるタイプだわ。そんな人とエレン様を結婚はさせられない。
あっちの伯爵令嬢――――は可愛いけれど、あまり機転が利かなかった。本人も勉強は苦手だと言っていたし、残念ながらエレン様には似合わない。
この子爵令嬢は――――総合的には悪くない。綺麗だし、受け答えや教養面も申し分ない。けれど、これといった決め手に欠ける。最上の女性をエレン様の結婚相手にって思っているのだから、この女性も厳しそうだ。
(ああ、こんなふうに人を品定めするって最悪。自分で自分を嫌いになりそう)
これでも皇女。人の上に立つ立場だし、これからそういう機会が増えるのは間違いない。
けれど、現状『ここがダメ』『ここが足りない』なんて言えるほど人間ができてるとは思わない。だってまだ16歳だし。言うほど人生経験積んでないもの。
「――――君がそんな表情を浮かべるなんて珍しいね、ヴィヴィアン」
とそのとき、背後から気安く声をかけられた。
振り返れば、帝国内でも珍しい桃色の髪に薄緑の瞳。わたしのいとこ――公爵令息のライナスがそこにいた。
あっちの伯爵令嬢――――は可愛いけれど、あまり機転が利かなかった。本人も勉強は苦手だと言っていたし、残念ながらエレン様には似合わない。
この子爵令嬢は――――総合的には悪くない。綺麗だし、受け答えや教養面も申し分ない。けれど、これといった決め手に欠ける。最上の女性をエレン様の結婚相手にって思っているのだから、この女性も厳しそうだ。
(ああ、こんなふうに人を品定めするって最悪。自分で自分を嫌いになりそう)
これでも皇女。人の上に立つ立場だし、これからそういう機会が増えるのは間違いない。
けれど、現状『ここがダメ』『ここが足りない』なんて言えるほど人間ができてるとは思わない。だってまだ16歳だし。言うほど人生経験積んでないもの。
「――――君がそんな表情を浮かべるなんて珍しいね、ヴィヴィアン」
とそのとき、背後から気安く声をかけられた。
振り返れば、帝国内でも珍しい桃色の髪に薄緑の瞳。わたしのいとこ――公爵令息のライナスがそこにいた。