【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
12.全肯定オタクと、その行動力
「こちらの席はいかがでしょう、エレン様? 窓から外が見えますし、静かでゆったりできる席だと思うのですが! もしもお好みに合わないようなら、喜んで別の席をご準備させていただきますね」
リリアンという店員は俺の反応がどうにも気になるらしい。チラチラと顔色をうかがってくる。
「どこでも構いませんよ。空いてる場所で――――この席で大丈夫です」
どうせ自分は付き添いだ。どこに座ろうとなにも変わらない。俺のそっけない態度にも、リリアンは「承知しました」と口にし、嬉しそうに笑った。
「それより、あなたはどうして俺のことを知っているんですか?」
先ほどから疑問だったこと。この店員はどこで俺のことを知ったのだろう?
物覚えは悪くないはずなのに、彼女の顔がちっとも思い出せない。
明るい茶髪にアーモンド色の瞳、鼻から頬にかけてそばかすが広がっている。目鼻立ちの整った美人だが、きっちりとまとめられた髪型や色味の押さえられた化粧から、無理やり地味に装っている印象だ。大人っぽく見えるが、実年齢は低いのではないだろうか――――俺はそんな予想を立てた。
リリアンという店員は俺の反応がどうにも気になるらしい。チラチラと顔色をうかがってくる。
「どこでも構いませんよ。空いてる場所で――――この席で大丈夫です」
どうせ自分は付き添いだ。どこに座ろうとなにも変わらない。俺のそっけない態度にも、リリアンは「承知しました」と口にし、嬉しそうに笑った。
「それより、あなたはどうして俺のことを知っているんですか?」
先ほどから疑問だったこと。この店員はどこで俺のことを知ったのだろう?
物覚えは悪くないはずなのに、彼女の顔がちっとも思い出せない。
明るい茶髪にアーモンド色の瞳、鼻から頬にかけてそばかすが広がっている。目鼻立ちの整った美人だが、きっちりとまとめられた髪型や色味の押さえられた化粧から、無理やり地味に装っている印象だ。大人っぽく見えるが、実年齢は低いのではないだろうか――――俺はそんな予想を立てた。