モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから

第二章 突きつけられる言葉の刃物

 次に目が覚めた時、私は案の定、病院のベッドの上だった。

(良かった……生きてる……)

 安心したのも束の間、ベッドの近くにいた両親が私の顔を見てこう言った。

「……なんで萌がっ」

 えっ……どういうこと?
 萌がどうしたの? ねぇ、お母さん!

「紗英、なんでお前が生きてるんだ……?」

 お父さん……それはどういう意味?

 目が覚めた私にかけられた言葉は、「怪我はしてても無事でよかった」でも「やっと目が覚めた」とかでもなく、萌の現状と私への否定の言葉だった。

「紗英、お前は打撲程度で済んだらしいぞ……」

「萌があなたをかばったらしいじゃない……」

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