モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから

　でも、さっき何か少しだけ間があったような……。
　私、何か変なこと言っちゃった？　気のせいだといいんだけど。

「…………」

　それに、成瀬くんの様子も少しおかしい気が……。

（大丈夫……だよね？）

「雄輝が一緒に帰れないなら、俺と帰らない？　萌ちゃん」

「えっ」

「そうだな、柊也が一緒だと安心かも。また何かあったら、それこそ俺……立ち直れそうにないし」

「あっ、いや、でも……」

「心配しなくても、俺が萌ちゃんに手出したりなんかしないって。萌ちゃんは雄輝の彼女だってちゃんと分かってるし」

「私は別に……そんなこと心配してないよ」

「じゃあ、決定な！」

　こうして、今日は成瀬くんと帰ることになった。