モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから

第五章 夏祭り

 そして、一ヶ月ほど経ったある日。

 もう真夏を迎えていて、夏休みも近い。

 今日は、珍しく、私と茜と成瀬くんと雄輝くんの四人で帰っている。

 すると……。
 成瀬くんが夏祭りに行こうと言い始めた。

 一緒に行くメンバーは、もちろん、私と茜と成瀬くんと雄輝くんの四人だ。
 実は、去年も本当の「萌」も含めて五人で夏祭りには行っていた。

 今年は行かないだろうなぁと思っていただけに、少し驚いている。

 すると茜が間髪入れず、話し出した。


「もしかして、気を遣って私を励まそうとか思ってる?」

「なんで茜ちゃん限定なんだよ! 萌ちゃんもいるだろーが。ってか、気を遣ってるわけじゃねぇけど……励まそうとは思ってる!」

「うわ~、成瀬くんの癖に生意気~」

 言葉ではツンツンしてる茜だけど、表情は嬉しそうだ。

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