モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから
「茜、その浴衣すごく似合ってるね」

「そう? ふふっ、萌に言われるとなんか……くすぐったいなぁ。今までそういうこと言われたことなかったし」

「あっ……」

「違うよ? 嫌とかそういうのじゃないからね? 仲良くなれて嬉しいってこと!」

 顔を見合わせ、笑い合う私と茜。
 その様子を見て、雄輝くんと成瀬くんも笑っていた。

「雄輝、雄輝! 萌ちゃんの浴衣姿もとくとご覧あれ!」

「ちょっ、わざわざそんなこと言わなくても!」

 成瀬くんが変なこと言うから、雄輝くんがまじまじと私の浴衣姿を見ている。
 そんなにじっくり見なくてもいいのに……。

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