モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから
「あそこのかき氷でいいか?」

「うん、私はいいよ。じゃあ、いちごで! 萌はどうする?」


「私はメロンで」


「えっ」

 その言葉と共に、雄輝くんが一瞬不思議そうな表情をしたのを、私は見逃さなかった。
 茜は特に変わった様子はないけど。

(何か変なこと言っちゃった?)

「俺は、レモン!」

「成瀬くん、レモンって顔じゃないじゃん」

 茜がすかさずツッコんだ。

「うるせ~。ってか、逆にレモンじゃない顔ってどんな顔だよ!」

 成瀬くんが注文すると、雄輝くんがかき氷の屋台へと歩いて行った。

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