モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから
「あっ、待って! やっぱり私、違う味がいい~」

 彼の後を追って、茜もついて行った。

 すると、成瀬くんとふたりきりになり……。

「あのさ……本当のこと言ってくんない?」

「えっ?」


 成瀬くんが、さっきまでとは違う、真面目な表情で私に話しかけてきた。

 本当のことって……もしかして……。


「さっき、アイツ……雄輝も異変に気づいてたかもしれない。お前……萌ちゃんじゃないよな? 紗英ちゃんでしょ?」


――バレた。

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