心から笑える日まで

第1話

中学3年生の春、髪にアイロンをかけネクタイを結び朝食を食べた。
「隣のクラスの桜さんみたいにはうまくいかないなぁ。」
「何言ってんのあんた。早く行かないと新学期早々遅刻するわよ!」
そう母に言われて私は家を出た。憂鬱な日常に戻ってきてしまった。
私は田中 咲希、どこにでもいる普通の学生。今日から新学期。ぶっちゃけめんどくさい私学校には行きたくない。受験生とか考えたくないんだけど。

「おはよう咲希。気合入ってるね。」
通学路で待ち合わせしてる幼馴染の伊藤 莉音。
ショートカットに少し焼けたが似合うスポーツ女子だ。
「そういう莉音はスカート短くない?気合入ってるのはそっちでしょ。」と他愛もない会話をしていたらすぐに学校に着いてしまった。私たちの通う学校は住んでいる市で1番大きい学校のため、学年の半分はほとんど知らない人だ。
「クラス今年も一緒だといいね〜。」莉音はそう言うが私は違うクラスの方がいい。莉音は可愛いから、一緒にいると周りからの視線が痛い。私と莉音を比べて陰口を言うクラスメイトが去年も沢山居たから。莉音は気にしなくていいと言うけど、私が可愛くないっていう現実を突きつけられてしまうのが現実で心が痛くなる。

クラス発表がされてる掲示板の前に行くと莉音はすぐに
「私5組だ!咲希は??」と聞いてきたが私はまだ見つけられていない。
「えーと、私は8組だ。」そう言った瞬間莉音が肩を落とした。そんなにショックだったのだろうか。
「咲希とクラス違うとか生きてけない。友達いないのに、、。」
「莉音なら明るいし可愛いからすぐ出来るよ大丈夫。」
「えーでも寂しいよ、、、。」
「休み時間会いに行くから。ね?」
「うん。絶対来てね。」
なんだか駄々をこねる子供を慰めてるみたいだが、落ち着いたなら良かった。

5分程談笑したあとお互い自分の教室へ入った。朝の会がありその後すぐ始業式、初日だったから始業式が終わってすぐ帰れた。
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