憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
ヒーローはヤンキー




初めてときめきを感じたのは4歳の時

公園で転んだ私に手を差し出してくれて、ママのところまで連れて行ってくれた。


大丈夫だから泣くな。と言われてよしよしされた私は幼いながらときめいてしまったんだろう。


『お、お兄ちゃんってヒーローなの!?』

『ヒーローじゃなくてヤンキーだぞ。』

『ヤンキー?』



『ヒーローみたいに強いけどちょっと悪いやつ。』

『お兄ちゃん悪い人なの?悪い人は助けたりしないよ?』

『良いヤンキーだ。ヒーローじゃない。』

『でもお兄ちゃんは彩を助けてくれたから彩のヒーローだよ!』


絶対ヒーローだと譲らない私にうるさそうな顔をして、

『んーー…ま、それで良いよ。じゃあな。』


さっさと行ってしまったヒーローに何度も『ヒーローバイバイ!』と叫んでいた私




どこの誰かも分からない私のヒーロー


数年後に憧れたヒーローに近づけて、私もヒーローになりたいと思ってたのに。




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