憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
ニットのワンピースを着ているから余計暑かった。
腕を捲っても全然暑い。
こんな汗だくになるとは思っていないよ…。
せっかくのメイクも崩れてそうで少し不安になる。
手で顔を仰ぎながら、顔の熱を冷ます。
「よく食ったな…。」
若干引いてるような理玖の手が私の頬に触れる。
理玖の手が冷たくて気持ち良い。
「わぁ…。」
自然と声が漏れてて、手に頬ずりしてた。
そうしてると反対側にも冷たい手が来て、気持ち良くて私の手も重ねていた。
理玖の手が温まるくらいになって、暑さが和らいだ気がした。
目を開けると、理玖がじっと私を見てて、しばらく見つめ合う。
そっと理玖の手が私の唇をなぞり始める。
激辛を食べた私の唇は少し腫れてるのか、ピリピリしてる。
「……たらこみてぇ。」
ぼそっと呟いた言葉は私にもバッチリ聞こえた。
私は理玖の手を下ろして、たらこ唇になっているらしい私の唇を隠す。
「…辛いんだもん。」
「あ、わり。」
拗ねた私を見て笑う理玖とそれにまた拗ねる私
いつまでも拗ねている私に理玖がラーメンを交換してくれることで機嫌を治る。