憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




理玖がするみたいに、ずるずると音を立てて食べて見せれば激辛のラーメンを簡単にずるずると啜る理玖に驚愕する。


「辛いよそれ!」

咀嚼する理玖の表情はいつもと変わらない。

飲み込むまでじっと見ていれば、すぐに飲み込んだ。


「俺、好き。…辛いの。」

「……あ、そうなんだ。」



そのままふた口めに進む理玖を眺めながら、突然出てきた"好き"という単語にドキドキする。


私じゃなくて、辛いのが好きなの。
私じゃない!おさまって心臓!


動揺を隠すように味噌ラーメンを口にする私を見てる理玖には気づかない。







「とりあえず着替えるか?」


無事に完食して、ゴミを片付けてソファに座ってるとどこかに行ってた理玖が服を手にしてそう言ってきた。


「えっ、何で…?」

「汗かいただろ。俺、シャワー浴びてくるけど彩はどうする?」


シャワーっ!?

私が混乱してるのを笑って、「とりあえず行くわ。」と出ていく理玖



しばらくすると微かにシャワーの音が聞こえてきた。


理玖がシャワーしてる…っ。
そわそわして落ち着かない私は、ソファから立ってできるだけ音が聞こえないように部屋の隅に行くけど、耳はしっかり聞き耳を立てている。



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