憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
何か勘づいているのを感じたのか理玖は、
「そんな期待するほどじゃない。」と言った。
することがないらしく、「部屋見るか?」と言われてもちろん縦に頷く。
1人だったらさっきまでいた部屋だけで十分すぎるくらいな気もする。
案の定というか、案内された部屋には全く何もないだだっ広い部屋やゲストルームという名の空き部屋など、何もない部屋がいくつもあった。
「もったいないような…。」
「親としてはずっと住むことを考慮しての買い物だったらしいからな。」
…ということはつまり。
理玖がこの先誰かと結婚して、子どもが増えて…って、ことを考慮した上でのこの広さ
「それならちょうど良いのかな…?」
家の間取りなんて分からないし、理玖が誰かと幸せに暮らしてるのを想像したら悲しくなってきた。
「まぁ、気に入らないなら売れば良いから。」
な?と私の顔を覗き込んでくる理玖
…お坊ちゃんの考えだ。と思いながら曖昧に頷き返す。