憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
それからは何もない部屋を見て回り、最初の部屋たぶんリビングに戻って理玖と高層階の景色を眺める。
本当に怖かったけど、理玖が腰に手を回してくれてたからか徐々に慣れていた。
特に何かをする訳でもなく理玖の家を見学しただけで結構時間が経っていた。
キッチンに入って行く理玖を自然と追いかけていつの間にか裾を掴んで金魚のふんのように側についてた。
冷蔵庫を開ける理玖を見ながらふいにキッチン台を見ると新品のように輝いてる場所に箱がぽつんと置いてあった。
四角い真っ白な箱で、この大きさケーキじゃない?と思って冷蔵庫に入れてないことに驚いて慌てて持ち上げると中身は入ってなかった。
何で捨ててないのか疑問に思いつつ、有名なケーキ屋さんの箱なのかと横を見て上を見ると息が止まった。
りくくん大好き♡
見覚えのある文言に似ている筆跡
これって……。
思い出すのはケーキを2つ買ってくれた男性
「理玖、クリスマスケーキ買った?」
「買ってねーけど?」
違う。あの男性はスーツ着てたから。
理玖じゃない。
「これ…ってさ、」
「え?」