憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
私が指差す箱に気づいた理玖は、あっ…と固まって髪をかき上げた。
「あ、…貰ったの?」
気まずい雰囲気になり、慌てて違うと否定する。
なんとなく彼氏の浮気を疑っているような。そんな雰囲気になってた気がした。
……彼女じゃないのに。
悲しさが湧いてくるのを抑えつけて、明るく問う。
「もしかして、スーツの男性から貰った?」
「そーだけど。なに、横山とそんな感じなの。」
「そんな感じ…?…えっと、横山さんは運転手の人で…。……えっ!?」
割と大きい声が出てたみたいで理玖がうるさいという様に耳を塞いだ。
私の字に見えるし、私自身書いた記憶がある箱が理玖の家にあって。
理玖は朝私をここまで乗せて来てくれた横山さんからケーキを貰った。と…。
え…?
「幼稚園生ぐらいの"りくくん"がここにいるの?」
「は?何言ってんだ?」
「だって!…これ!私が書いたの!」