憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




暖かい気候に恵まれ、桜が咲く中卒業式を迎えた。


クラスの子たちと外で待っている。
第二ボタンを狙っている子や花束を持っている子もいた。



理玖が来てるのかは分からない。
来てると信じて、メイクをして髪も整えてきた。


「なんか薄い噂だけど、桁違いのイケメンがいるって聞いたことあるんだよね。」

「3年生に?」

「3年生の先輩と仲良いんだけど、その先輩がぽろっと言っててさ、聞き返したけど聞き間違いじゃない?って濁されたんだよね。」


それならあの先輩じゃない?
などと盛り上がる会話を聞きながら、理玖って桁違いのイケメンだよね…と考える。



「そんな桁違いのイケメンがいたらさすがに1年にも回ってくるでしょ。」

「その先輩『完璧王子いつ来るの〜。』みたいなこと言ってたんだよね。」

「レアキャラなの?不登校?」

「不登校だとしたら、数少ないチャンスを先輩たちが独占するために学校中に言いふらさなかった。みたいな?」

「おお!すごい推理!」



なんか、ますます理玖のことじゃないかとドキドキしてくる。



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