憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
「うわーぉJK」
「JK集団持ち帰りしてぇ。」
不自然な言葉が聞こえた気がして周りを見るけど1、2年生の生徒たちしかいない。
「彩ちゃんは誰かにボタンもらうの?」
「えっ!?いや…、知り合いがいると思うから。最後に制服姿見ようかなって…。」
「まさか彼氏ー!?」
「違うよ!違うっ。……違うけど。」
「へぇ〜?」
にやにやと見つめられ、顔が熱くなる。
これじゃあ好きな人だとバレバレだ。
「彩ちゃんなら大丈夫!本当に可愛いから!」
「ありがとう。」
真っ直ぐな褒め言葉は嬉しい。
ドキドキして理玖に会えるか分からないけど、まだかなと持っていると、
「キャーッ!!」
悲鳴が上がってざわつく。
「あー、ごめんごめん。当たった?」
「へっ!?あっ、ごめんなさい!うるさかったですよね…!」
「ん?…全然。」
何があったのか分からないけど、視線を集めていたのは仲良さげに肩を組んでいる男女の生徒だった。
「こんなとこでいちゃつくなっての!」
「女メロメロじゃん…。」
男子生徒の腕の中にいる女子はもたれかかるようにしてじっと男子生徒を見つめていた。