憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
「彩、大丈夫か。」
聞こえた声にものすごく安心して身を預ける。
「理玖…。」
理玖の手に手を重ねると上から絡められる。
後ろから抱きしめられたまま安心していると手を理玖に蹴られたのか痛そうにしながら睨んでいる。
「イケメンだからって調子乗ってると痛い目みるんだからっ!こいつ!こいつやって!」
女子たちと揉みくちゃになってる2人を再び呼び寄せる加奈子ちゃん
不安になって理玖を見上げると真顔の理玖がいた。
「理玖…、先生呼んだ方が。」
「あー、心配すんな。任せとけ。」
面倒くさそうだけど、何てことなさそうな理玖
「おっ。イケメンくんだ。」
「こんな綺麗な顔に跡つけるの興奮するなー。」
楽しそうに手をボキボキと鳴らしてる。
加奈子ちゃんも悪魔の様な笑顔で見ている。
「たかが暴走族の総長がヤクザに勝てる訳ないわ!」
えっ…?ヤクザ…
「へーぇ。ヤクザねぇ。」
「今勢いのある田中組らしいわよ!」
「ふーん。」
理玖は全然興味無さそうな返事しかしない。
それどころか私に体重を乗せ始める。
「ごめんねイケメンくん。この子どうしてもって聞かないからさー。俺ら2人相手に1週間も耐えたからご褒美あげないとなんないの。」
「あんま良くはなかったけどな…。」