憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
地団駄を踏む加奈子ちゃん
2人に集まってた女子たちに加奈子ちゃんが2人と過ごした時の様子を大声で話し始めた。
私には理解できないワードが並び固まる私の耳に理玖の手が当てられた。
私の顔をじっと見つめると手を外して…、
「好きだよ。彩」
「へっ…?」
理玖に届かないくらいの掠れた声が漏れた。
目を見開いて固まる私を見てにこやかに笑いながら向き合わされる。
「彩の王子様になっても良い?」
『王子様が迎えに来てくれるって思ってたらいけないの…?』
過去の自分の話を思い出して涙が溢れる。
理玖が、私の王子様に…?
目の前の綺麗な人は本物の王子様だと言われても誰も疑わないと思う。
「ほ、本当に…?」
「うん。彩は俺のお姫様になってくれるの?」
理玖の顔が本当に優しくて、涙が止まらない私を愛おしそうに見つめるから心臓が苦しい。
「なりたい。…理玖のお姫様になりたい!」