憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
その言葉を聞いて愛おしい存在を腕の中に閉じ込める。
自分の心臓の音が情けないくらい大きく響いてる。
人を好きになるのは初めてだった。
好かれることは多々あったが、異性からの好意は迷惑なものだとずっと思っていた。
実際、面倒事に巻き込まれることもあったし。
…今現在品のない言葉を大声で叫ぶ女もその1人
彩と出会わせてくれた事に関しては感謝してるが、それを上回るクズな女
クズ女が彩を閉じ込めたあの空き教室は俺の居場所だった。
旧校舎自体が遊蘭の溜まり場として使われていて、そのことは夜鴉の生徒だったら知っている。
そもそも見張りがいたはずなんだが…と思いながらも、突然入ってきた彩を追い出さなかったのは気まぐれだったのかと思う。
お子ちゃまだと揶揄ったら泣き始めて殴られた。