憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
この学校の男子は2つの族で構成されていると言って良い。
1つは私が追い出された夜鴉(よがらす)
好戦的な人たちが多く、割と頻繁に喧嘩をしている。
もう1つは遊蘭(ゆうらん)
夜鴉に比べたら落ち着いた族であるけど、噂では夜鴉よりも強いと言われている。
希望したら誰でも入れる夜鴉に対して、遊蘭は夜鴉の3分の1ほどしかいない。
だから私でも仲間になれた。
ここはどっちかの族に入りたい男子もたくさん来るし、男子が集まるからと女子も4割ほど入学して来る。
族に入りたいって思う女子もいるだろうけど、それはきっと姫になりたいって意味で。私みたいに下っ端になりたい女子はいないだろう。
だから、私が夜鴉に入った時は何で?と男子からも女子からも言われた。
私が憧れたヒーローのあの子が、ヒーローじゃないヤンキーだ。と言っていたから、族で有名なこの学校に来た。
ヒーローになるために夜鴉に入ったは良いものの、喧嘩もしたことない私に課せられたのは怪我人の手当てだった。
何度か下っ端の人たちに喧嘩の仕方を教えてもらって、フォームは分かった。けど、人相手となると怯んでしまうのが現状だ。