憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
ぱち、ぱちと繰り返して、横を見ると襟足の長い男子がソファにもたれていた。
…後ろ姿も綺麗とか卑怯だな。
ぼんやりとした寝起きの頭でそんなことを思う。
「筋肉盛り盛りより、こっちの方が好きかも…。」
バニーちゃんと並んでた男子とは違うものの、広い肩幅に骨ばった手
腕まくりしてる腕は血管が見えた。
寝返りを打って横向きになり、じっくりと後ろ姿を眺める。
なんだか抱きつきたくなる。
けど、そんなことできない。
せめて近くにと、体を縮こませて彼の背中に吸い込まれるように頭をくっつけてた。
「そろそろ起きろ。」
低い声に起こされ、目を開けると今度は顔が見えた。
「綺麗な顔…。」
「寝ぼけてねぇで起きろ。」
パシッと軽く頭を叩かれて起き上がる。
見慣れた空き教室で、慌てて時間を確認する。
2時頃で文化祭が終わってないと知ってホッとする。
と、テーブルに広げられてる食べ物に目が移る。
「これ買ってきたんですか。」
「俺じゃないけど。食って良いぞ。」
「!ありがとうございます!」
急にお腹が空いてきた私はソファを降りて、床に座ってた彼の隣に座る。