憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
焼きそばに手を伸ばして箸を探す。
あれ。というように隣から指がさされ、既に割られてる割り箸を手にする。
「もう食べないんですか?」
彼が使ってた箸なはずだ。
箸はこれ1つしかないみたいだし。
「そん時は食べさせてくれるだろ?」
首を軽く傾げた彼を至近距離で見てしまって、胸が鳴ってしまう。
「はい!もちろん!」
「声でか。」
くすっと笑った声を聞きながら焼きそばを口にする。
「文化祭行かないんですか?」
デザートのいちご飴を食べながら聞いてみる。
焼きそばにたこ焼き、アメリカンドックまで食べてしまった私
テーブルにはまだいくつか残ってる。
パリパリのいちご飴を口に入れ、味わう私の隣でゲームをしてた彼
「お前こそずっとここにいるけど?」
「私は今日接客じゃなくて、集客を任されてたので。」
床に置いてあるクラスの看板を指差す。
「慣れねぇ格好で歩くから怪我すんだろ。」
ちらっと私の格好を見た彼が冷たく言う。
「似合ってない?」
「怪我してんだって。足痛むだろ。」
そう言われて、靴擦れしていたのを思い出す。
そこには絆創膏が貼られていた。