憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした



『喧嘩なんて似合わねえぞ!お前可愛いんだから。』


みんな口癖のように言ってた。
本心か本心じゃないかなんてどうでも良かった。

『私はヒーローになりたいんです!』

執着と言って良いほどのヒーローへの憧れが強すぎて可愛い可愛い言われても揺らぐことはなかった。




…そういえば、あの子、夜鴉の姫になった横田加奈子(よこた かなこ)ちゃんが時々私をじっと見ていたことを思い出す。



私が加奈子ちゃんをいじめた。
…もちろんそんなことした記憶はない。

入って来た時に女子が来た!と喜んだ私に対して加奈子ちゃんは割とあっさりしてたし、姫の立場だから下っ端の私とは関わることもなかった。





「ヒーロー計画は終わりかな〜。」

遊蘭に行くという選択肢は最初からない。
精鋭ぞろいだと聞くし、そもそも幹部たちが誰なのか知らない。


ここに来てまだ3ヶ月
こんな夏休み前に私の夢が呆気なく散るとは思ってなかった。


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