憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした



手を振ってる先には男子が4人いて、こっちを見るとにこやかに走ってきた。


「何、彼女!?」

「ちげーって!ここまで連れて来てくれてさ!」

「えー!ありがとうな!お礼するよ!」


一気に5人の男子に囲まれて、思わず後ずさる。

「い、いいえ。無事に会えて良かったです。」


じゃあ、と公園を出ようとすると手を握られた。

「申し訳ないからお礼ぐらいさせて!」

「大丈夫です!」

「まあまあ。」


押されてる内にもう片手も握られ、肩にも手を回された。



……これは、まずい状況な気がする。



ずるずると引かれて歩く先に中に入れる遊具がある。



「あのっ、帰りたいです!」

踏ん張りながら抵抗すると、後ろからがっちり固められて、

「大丈夫。楽しいよ?」

と囁かれた。





瞬間、一気に警戒心がMAXになって手を振り解こうとした。

「離してくださいっ!」

「あーあー、暴れんなって。」


ぐっと掴まれる力が強まる。

気持ちが折れそうになりながらも必死に抵抗し続ける。



…こんな時こそ、夜鴉で練習したことをっ!


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