憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした




最近の私はずっと携帯を眺めていた。
正確に言うとケースに挟んでる紙を眺めてる。


授業中も家にいる時も。

最初は取り出して眺めてたんだけど、ボロボロになりそうだったから思い切って文字が見えるように挟んでる。


その代わり携帯は必ずポケットに入れるようにして肌見離さない。


2つとも同じ人だと確信は持ててないけど、勝手にあの人の番号だと思ってる。

あの日にこの番号を登録しようとしたけど、勇気が出なかった。その上番号登録する前に名前もまだ知らない。


何であれだけ会ってるのに名前聞いてないんだと自分に呆れてしまう。


校舎内を移動する度にあちこち目を凝らして見るけどあの人は見なかった。


あの空き教室に行けば会えるんだろうけど、なかなか行く勇気が出ない。




1日中あの人のことを考えてぼーっとしてることが増えた。


だから自分の周辺が騒がしくなり始めてることに全く気づかなかった。




< 44 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop