憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
それから夜鴉と関わることなく夏休みに入り、さっさと課題を終わらせた私は友達とカフェにいた。
「言ったじゃん。絶対後悔するよって。」
「あ、後悔はしてないよ?ただ夢が呆気なく終わってこれからどうしようかなって。」
中学時代の親友のすずちゃん
優しくて面倒見が良い、お姉ちゃんみたいな存在
すずちゃんにはあの高校に行くことを何回も止められた。終いには本当ばかなんだからとあきられちゃったけど。
「別にヒーローになる手段が喧嘩だけだとは思わないけどね。てか、彩に喧嘩とかしてほしくないし。」
…確かに。そうかもしれない。
ヒーローになりたかったはずなのに、いつの間にかヤンキーの方に引っ張られてた?
「やっぱ女子だったら守られたくない?」
「?誰に?」
「好きな人に、彼氏に。…よくよく考えればさ、彩だって公園でその男の子に助けられたからヒーローになりたいんでしょ?」
「うん。」
「それは助けてくれた男の子がかっこよく見えて、好きになっちゃったんだよ。ヒーローでもあり、女子憧れの王子様だよ。」
王子様…。