憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
圧倒的な強さとカリスマ性
しかし、その名前が一般的に広まることはなく、夜鴉でも幹部しか知らない。
理由としては、安達理玖は族には収まらない存在だから。
裏社会に深く関わっていないにも関わらず、"安達"の名前は都市伝説ぐらいの扱いだ。
その相手から『次はない。』と有難いぐらいの忠告を受け、それを完全に踏み躙った。
夜鴉の解体がこの事態を収めるのに最善の選択だろう。
『すぐにけじめをつけます。数日、時間をください。』
『明日10時に車を向かわせる。お前だけ来い。』
待っていたかのようにすぐ返信が来た。
けれどその返信は思っていたものとは違った。
世間が浮き足立つクリスマスイブ
夜鴉の幹部室は張り詰めていた。
航と女は今日と明日は呼び出すなと前に言っていた。
そしてもう1人。航とよくつるんでる幹部は女と遊ぶと言っていた。
ここには副総長と幹部1人と俺
こいつらは理性のある奴らだ。
3人が今日来ないのを見越して遊蘭について話し合おうと集まったのだろう。
だが、俺が安達理玖に呼び出されたと言えば、動揺した後に覚悟を決めた顔をした。
「それ、俺らも行ったら殺されるかな。」
「行かない方が良いだろうな。」
「ああ。」
2人とも解体が最低条件だと分かっているのだろう。
「俺らにも背負わせてくれよ。」
いっそ清々しい顔の2人に見送られ、クリスマスイブにまで倉庫に集まってる奴らには賑やかに見送られる。