憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
畳の匂いが漂う一室に遊蘭総長安達理玖と副総長飯島祐希がいた。
ここまで案内してくれた人は俺を室内に押し入れるとすぐに襖を閉めた。
…この敷地に入る前にありえないものを見た。
背中に冷や汗をかきながら、ここまで歩いて来た記憶はもうなかった。
「そこ座りな?」
突っ立ったままの俺を不思議そうに見て飯島祐希が言った。
安達理玖はパソコンをすごい勢いで叩いている。
「申し訳ありませんでした。今回、前回の愚かな行為の責任を取り、夜鴉は解体します。」
2人が俺の目の前に座ったところで、夜鴉の解体を明言する。
長い沈黙を経て、静かな声が聞こえた。
「頭を上げろ。」
改めて見ると恐ろしいくらいに整った顔だち
対して横で柔らかい雰囲気でお茶を飲む飯島
「君、そんなに頭が良いのに何であんな姫がいるのか分からないな。」
俺が決めたことは正解だったんだと少し安堵した。
飯島が俺にお茶を入れてくれる。