憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
「幹部が黒田と付き合い始めたので、流れで姫の立ち位置にしてしまいました。」
「まあ、それは当然だからしょうがないか。」
「黒田にはそれ相応の罰を与えます。」
「ああいう女って何が効くんだろうねえ。」
ずっと黙ってる安達が気になる。
飯島のおかげか、思ってた空気感と違うために戸惑ってしまう。
「お前名前は?」
「間中大輝です。」
突然安達に名前を問われる。
「夜鴉内での彩はどうだった。」
「とにかく喧嘩を教えてくれと下っ端たちに言っていたらしいです。ヤンキーに憧れているからと。下っ端たちは乗り気ではなかった様ですが、護身用に少し教えていたそうです。」
俺がそう言うと、安達の顔が少し緩んだ。
しょうがない奴。みたいな顔だ。
「あいつを追い出した時、黒田の主張を受け止めたのは似合わない喧嘩をさせなくて済むと思ったからです。」
「黒田が白井彩にいじめられてると言った時に疑問に思ってた奴は結構いました。だけど引き止めなかったのは、こんな世界にいるべきじゃないと全員が思ったから。だから、あっさりと追い出しました。」