憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした



でも…、


何が続くのか分かっている2人に真正面から問う。



「あいつにこういう世界は似合いません。」


「それは同感だ。」


意外にもまっすぐな視線が返ってきた。

「じゃあ、何故…」

「彩との出会いに関しては、あの女に感謝しないとな。」



聞けば黒田が安達の居場所に白井彩を閉じ込めたことから始まったらしい。

「彩は俺が遊蘭総長だって知らない。それに裏の世界に関してはこれからも言うつもりはない。」

「でも、"安達"と繋がりがある女だと知れたら命を狙われる。」


「過保護なくらいに守るよ。家の都合で表にも裏にも厄介な知り合い多いから。」


表にも、裏にも…。

"安達"って有名な家なのか?それに、裏って…。



「あれ?ここがどこだか分かってない?」

「いや、頭が拒絶するというか。…見間違いかと。」

「合ってるよ。ここは東雲組」


軽い口調で告げられる。

東雲組と言ったら裏社会の中心的存在だ。


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