生徒会長と秘密の関係
1章 校則違反
この場所は
【私立結木學園】
不動産王に資産家、病院長、あとは外資系IT社長などを両親に持つ。
お金持ちの子どものみが入学を許される、幼稚舎からの一貫校だ。
小学生の頃は夏休みにどこへ行ったかの自慢大会
「私はハワイに行ってきたの、風がすごく気持ち良くて。
あ、これはお土産のマカデミアチョコ、どうぞ召し上がって」
「僕はチョコレートの発祥の地ベルギーに行ってきたんだ」
「僕はね、アメリカで大きなハンバーガーを食べたよ」
親や親戚からもらった誕生日プレゼントで格の違いを見せつけあったりもした。
「この間の誕生日は祖母に小型ドローンをいただいた」
「私はパールのネックレスよ」
「両親は一眼レフのカメラをくださった」
高校生になった今、そんな愚かなことをするものはいない。
高校校舎は、デカデカとした門を通れば近代的な白と葉の緑を基調としてる。
車が次々と入ってゆき、ロータリー型になっている校舎の入り口前にはたくさんの生徒が集まる。
大きな窓も存在感があり陽の光や空の青が校舎内にも入ってくる。
爽やかで涼しげな、そこはまさに青春!といったような場だ。
だからと言って皆が皆ここで幸せな学生生活を送っているわけではない。
中には休みたい、辞めたい、
【逃げ出したい】
そんなことを思う生徒だっているということだ。